情報提供医師

尾辻 正樹 医師(横浜ひざ関節症クリニック 院長)

日本整形外科学会認定専門医/再生医療学会認定医

尾辻医師の詳しいプロフィール

左膝裏側に痛みが出ています(軽く腫れて膝曲げがつらい)。
じつは7年前からたまに痛みがあり、その当時にも整形外科や市民病院でみてもらいましたが、解決しませんでした。水がたまってる…と何回か抜かれましたが「ゆっくりしていて落ち付くなら経過観察で」という感じで終わりました。ですが、長期間ゆっくりする事もできず生活に支障があります。
ずっと悩んでますが、どれぐらいで自然治癒するのでしょうか?

水が溜まるのは膝の炎症が原因なので、炎症が改善しない限り自然治癒することはありません。7年前からお痛みがあり水が溜まるとの事なので、一度MRIで精密検査をお受けいただくことをおすすめします。MRI画像では、レントゲンでは分からない半月板や軟骨の損傷状態も分かるので、ご相談者さまのお痛みの原因と、原因に適した治療のご提案が可能となります。


「水が溜まる」とはどういう状態か?


膝関節は関節包という袋で覆われていて、内側には「滑膜」という組織があります。
袋の中は滑膜から分泌される関節液で満たされていますが、その量は通常1~3mL程度です。しかし、滑膜が炎症を起こすと、関節液の量は20〜30mLにまで増加します。「水が溜まる」とは、このような状態を指します。


膝に水が溜まる原因は「炎症」


水が溜まる直接的な原因は関節液の多量分泌であり、それは滑膜の炎症によってもたらされます。
ではなぜ滑膜に炎症が起こるかですが、それは関節液の質の変化が関係します。
スポーツなどで無理な負荷をかけると、膝の中の軟骨は損傷を受けます。また、40代以降では日常生活の動作でも小さな損傷が繰り返されるようになり、ダメージが蓄積していきます。その結果、少しずつ軟骨や半月板といったと組織が摩耗し、削り取られます。こうしたかけらが関節液の中を漂い、滑膜を刺激することで、炎症が起こるのです。


炎症の原因は水の色で予想できる


炎症の原因疾患は、抜いた水を確認することである程度特定できます。
この原因に即した治療を行ないます。

・褐色、赤色(血液)→外傷(半月板損傷、靭帯損傷、骨折など)
・濁った色(白 or 黄)→感染症、リウマチ、痛風
・黄色く透明な色→変形性膝関節症


炎症を抑えれば、水抜きはクセにならない


「膝の水を抜くとクセになるから抜かない方が良いのでは?」というご質問をいただくことがありますが、それは正しくありません。水を抜くからクセになるのではなく、炎症が続いているからクセになってしまうのです。
逆に水を抜かずに放置してしまうと、炎症を長引かせる要因になりえます。膝に溜まる関節液の中には炎症を引き起こす物質(サイトカイン)が含まれているからです。水抜きを繰り返すことでクセになるということはありませんので、膝に水がたまった時は放置せず、クリニックで抜いてもらうことをおすすめします。


自然治癒することはある?


膝の水は、一定期間放置したからといって自然に治るとは限りません。改善するには膝の炎症を抑えることが大切です。膝の炎症が改善されれば、関節液の分泌と吸収のバランスが正常に戻り、溜まった水は自然になくなります。
逆に、炎症が改善されなければ、何度抜いても水は溜まり続けてしまいます。繰り返し水が溜まるということなので、まずは炎症を鎮めることを念頭に治療されるのが良いと考えます。炎症の原因である損傷部位を正しく把握し、そこにきちんと炎症抑制のアプローチを行っていくことが大切です。
炎症の原因を特定・治療するためにまずは早急に診察を受けることをおすすめします。
当院でもひざの専門医が原因を特定、最適な治療法をご提案させていただきます。お気軽にご相談ください。
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膝の損傷状況を正しく把握することが解決への第一歩


当院の診察では、膝のMRI検査を行います。MRI画像をもとに専門医が膝の詳しい状態をわかりやすくお伝えした上で、生活スタイルなども考慮した治療のご提案をいたします。
診断にMRIを用いるのは、関節内の骨以外の組織(軟骨、靭帯、半月板など)の状態を詳細に把握できるからです(レントゲンで明らかになるのは骨の状態です)。問題点を明らかにした上で、的確な治療を試みます。

なお、当院は全国10拠点以上で診療を行っています。MRI検査をご希望の方は、最寄りの院をお選びいただくことも可能です。是非ご検討ください。


まずはお気軽にご相談ください。

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